納骨壇の種類|仏壇型、ロッカー型、自動搬送型の特徴を解説

新しいお墓の形として納骨壇が選ばれています。

納骨壇とは屋内型の納骨施設のことで、納骨壇を備えている建物のことをまとめて「納骨堂」と呼びます。

納骨壇にもいくつかの種類があり、特に多いのが「ロッカー型」「仏壇型」と呼ばれるものです。最近では参拝ブースに遺骨が自動で運ばれてくる「自動搬送型」なるものも登場し、都市部を中心に普及しています。

それぞれにどのような特徴があるのか、分かりやすく解説いたします。

納骨壇とは

納骨壇とは、納骨堂の中に並ぶ遺骨を納めるための什器のことで、多くは寺院や霊園の中にあります。

墓じまいが不要であること、屋外の墓石のようにお墓の掃除をしなくて済むこと、天候に左右されずにお参りできるなどの理由から、利用者が増えています。

預けられる遺骨の数や礼拝の場所や費用は、納骨壇の種類によって異なります。どのような種類があるのか、詳しく見ていきましょう。

納骨壇 3つの種類

納骨壇には主に次の3つの種類があります。

【仏壇型】
仏壇の形状をした納骨壇です。上下2段構造になっています。上段が仏壇でご本尊や位牌を祀って礼拝します。下段が納骨スペースで家族の骨壷を納めます。

【ロッカー型】
コインロッカーのような形状の納骨壇です。中に遺骨を納め、鍵付きの扉がついています。段数は納骨堂によって異なりますが、3段~6段が一般的です。

【自動搬送型】
参拝ブースと納骨スペースを別の場所に分け、お参りの人が来たら遺骨が自動搬送される仕組みの納骨堂です。納骨壇を並べる必要がないことから、土地不足に困る東京や大阪などの都市部を中心に普及しています。

3種類の納骨壇をご紹介しましたが、メリットやデメリット、費用の違いなど、次の章ではそれぞれの特徴について、さらに詳しく解説して参ります。

仏壇型の納骨壇

仏壇型の特徴

仏壇型の納骨壇の一番の特徴は、1基の納骨壇を1家族で利用できる点です。

ロッカー型のように上下左右を他の家の区画に挟まれることなく、また自動搬送型のように遺骨をバックヤードでまとめて保管されるわけでもないため、お参りするご家族の安心感が違います。

仏壇型は上下2段構造が基本です。

上段の仏壇スペースには、その宗派のご本尊、故人様やご先祖様の位牌、さらにはローソク、お線香、お花などのお供え物を並べます(電気の灯明や造花などを用いるところも多くあります)。下段は棚状になっており、ここに骨壷を並べます。

納骨壇は昭和50年頃に全国的に普及していきますが、はじめに作られていたのがこの仏壇型です。納骨壇を利用する上で、日本人にとってもっともなじみのあるスタイルだったのだと言えるでしょう。

仏壇型のメリット

仏壇型のメリットは、一家に1基の納骨壇を持てる点です。他の人と同じ場所で礼拝や納骨をするわけではなく、わが家だけの場所としてお参りができます。

また、他の納骨壇と比べてスペースにも余裕があるため、複数の遺骨を納めることができ、世代を超えて利用できます。

仏壇型のデメリット

仏壇型のデメリットは、他の納骨壇に比べて費用が高い点です。

仏壇型は一家に一台の固有の納骨壇です。個別にお参りができ、複数の遺骨を納められますが、1基を複数に区切って売り出される「ロッカー型」と比べるとどうしても割高になってしまいます。

また、仏壇型では仏壇として特定の宗派のご本尊をお祀りします。無宗教としてお祀りしたい方にとっては懸念点となるかもしれません。

仏壇型の費用相場

仏壇型の費用相場は100万円~200万円前後と言われています(あくまで相場です)。一度使用料を納めると永代にわたって利用できますが、新しい遺骨を納骨するたびに費用(供養料)がかかることもあります。

ロッカー型の納骨壇

ロッカー型の特徴

ロッカー型とは、コインロッカーのような形状の納骨壇です。

省スペースであるため、安価な費用で利用できるのが一番の特徴です。中に納められる遺骨の数に限りがあるので、あととりのいない世帯や夫婦での利用に適しています。

ロッカー型の1区画あたりの大きさはさまざまです。1基あたりの納骨壇の寸法は、幅は約40cm前後で、総高さは2m前後 1m80cmから2m10cmが一般的で、これを何段に区切るかは運営寺院によって異なります。

一般的には3段から6段で、段数が少なく、1区画当たりのスペースが広いほど価格が高くなります。

ロッカー型は仏壇型に比べてスペースに限りがあるため、納骨堂内の別の場所に共有の礼拝場所が設けているのをよく見かけますが、限られたスペースの中で礼拝と納骨を同時にできるタイプの納骨壇もあります。

当社で好評をいただいている「ボックス式納骨壇」では、納骨壇を縦に3区画に分け、ひとつの区画の中で仏壇スペースと納骨スペースを兼ね備えています。

収納だけのためのロッカー型とは異なり、その場に仏さまやお位牌をお祀りし、手を合わせることが可能です。

かつては1台をひとつの家族で利用する仏壇型が多かったのですが、土地に限りがあることや、ニーズの高まりから、省スペースで少しでも多くの遺骨を預かれるように、いまでは1台を複数の区画に分けて利用するロッカー型も主流になりつつあります。

ロッカー型のメリット

ロッカー型のメリットは費用が安価である点です。

また、どんなに狭いとはいえ、割り当てられた区画はその家のものですから、遺骨以外にも位牌や写真、思い出の品を一緒に納めておくこともできます。

ロッカー型のデメリット

ロッカー型のデメリットは、スペースが狭く、納骨できる遺骨の数に限りがあることです。また、上下左右を他の区画に囲まれているため、お参りの際に窮屈な思いをするかもしれません。

ロッカー型の費用相場

ロッカー型の費用相場は20万円~50万円です。上段や中段よりも下段の方が安くなるなど、選ぶ区画によって価格設定を変えている納骨堂もあります。

自動搬送型

自動搬送型の特徴

自動搬送型の納骨壇は、参拝ブースと遺骨の保管場所が区別されており、お参りの際に遺骨が自動で運ばれてくるタイプの納骨壇です。

納骨するための「壇」が並ぶわけではないので、土地不足に困る東京や大阪などで普及しています。建物一棟全体を納骨堂として利用し、「マンション型」や「ビル型」などとも呼ばれています。

お参りの人を判別するために使われるのがICカードです。館内はコンピューターで制御されており、カードをタッチパネルにかざすだけで、その家の遺骨がベルトコンベヤに乗って運ばれてきます。

また、館内はホテルのロビーを思わせるような宗教色のないモダンな造りが特徴なので、宗旨宗派を問わず利用できます。

自動搬送型のメリット

自動搬送型のメリットはアクセスの利便性です。

都心のような、墓地の造成や納骨堂の建設が困難な立地でこそ自動搬送型の納骨堂は重宝されます。駅から降りて徒歩数分の場所にあることが多く、お参りのしやすさが最大の特徴と言えます。

また、参拝ブースもパーテーションで仕切られているため、周囲を気にせずお参りができます。お墓の維持や掃除も不要で、お花やお線香も納骨堂側が準備してくれるので手ぶらでお参りできます。

自動搬送型のデメリット

機械設備を駆使して作られているため、どうしても費用は高めになってしまいます。納骨壇の利用料金は立地や地価に左右される面もあり、都心部ほど価格が高騰するでしょう。

参拝ブースの数に限りがあるため、特にお盆やお彼岸の時期は大変混雑し、お参りのために列ができることもあります。

また、機械制御のため、万が一の故障の時、あるいは地震などの災害が起きた時の遺骨の取り扱いなども懸念点です。どのような対応をしてくれるのか、事前の確認が求められます。

自動搬送型の費用相場

自動搬送型の費用相場は80万円~200万円です。

まとめ

納骨壇と言ってもさまざまな種類があることをお分かりいただけたかと思います。

故人さまやご先祖様をお祀りする大切な場所です。家族全員で話し合い、お参りしたくなるような納骨壇が見つかるとよいですね。

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