納骨壇とは?

納骨壇 本覺寺 納骨堂内
【照高山圓教院 本覺寺の納骨壇】

ライフスタイルがめまぐるしく変化していく中で、新しいタイプのお墓として納骨壇を利用している人が増えています。

少子高齢化社会では、せっかくお墓を建ててもあととりがいないために結局墓じまいをしなければならないというケースが多いため、墓石ではなく納骨壇が選ばれるようになっているのです。

納骨壇がいったいどのようなものなのか。分かりやすく丁寧に解説して参ります。

納骨壇ってどんな場所?

納骨壇とは、「屋内型のお墓」

納骨壇とは、屋内型の納骨施設、もっとわかりやすく言えば「屋内型のお墓」です。

この納骨壇が並ぶ建物のことを「納骨堂」と呼びます。納骨堂の設置には許可が必要です。「墓地、埋葬等に関する法律」(以下:墓埋法)では経営主体を地方公共団体、宗教法人、公益法人の三者にだけ認めると定めており、現状では納骨堂の選択肢は公営霊園の納骨堂か寺院の納骨堂のいずれかになります。

納骨壇と墓石の違い

納骨壇と墓石、何が違うのでしょうか。

実は両者は、納骨と礼拝を行う場所という共通点から、広い意味で「お墓」に括られます。『広辞苑』(第5版)では「死者の遺骸や遺骨を葬ったところ」とあるように、お墓は石でなければならないわけではないのです。

納骨壇は建物の中に並び、墓石は屋外に並ぶ石塔です。こうした外見的な違いはすぐにイメージできますが、遺骨そのものはどのように扱われるのでしょうか。

一般的な墓石の場合は、石塔の真下に設けられた「カロート」と呼ばれる場所にお骨を納めます。カロートの形状も地上型、地下型、地下に棚を設置するタイプなどさまざまです。

壺から遺骨を出して土に還す地域もあれば、骨壷のまま納める地域もあります。それに対して納骨壇もさまざまな種類がありますが(あとの章でくわしく解説いたします)、骨壷のまま遺骨を納めるのが原則です。

墓石のカロートも納骨壇もスペースに限りがあるため、納骨できるお骨の数に制限がありますが、墓石の場合は土に還すことができるため、半永久的に遺骨を埋葬できるというのが大きな特徴です。

いま人気の納骨壇 実は昔からあった

納骨壇を新しいお墓として求める人が増えているため、ここ最近のもののように思われますが、実は納骨壇は昔からありました。

たとえば「霊廟」と呼ばれる死者や遺骨を祀る建物は、古今東西、仏教だけでなくキリスト教やイスラム教でも見られる施設です。日本においては大正12年に発生した関東大震災で多くの寺院や墓石が被災したあとに、さまざまな場所に納骨堂が設置され、無縁仏を引き受けました。

いまのような形の納骨壇は、昭和50年代から普及しだし、都市化とそれに伴う土地不足、核家族化や少子高齢化などの社会的背景から、墓石に代わるお墓として納骨壇が選ばれるようになりました。

納骨壇を画像で紹介

最近はデザイン性にこだわった納骨壇が数多く納入されています。セキュリティ性もバッチリです。もちろん、使い易さなどの機能性も配慮されています。

堂内に入られて「きれい!」と驚かれる方も多いでしょう。

照高山圓教院 本覺寺 三寶山紹隆院 勝楽寺 正倉院
照高山圓教院 本覺寺 納骨壇 三寶山紹隆院 勝楽寺 納骨壇 正倉院 納骨壇

納骨壇のイメージをもっとご覧になられたい方は以下のページをご参照ください。

>> 納骨壇 | 納入事例ページへ

こんな人に選ばれている 納骨壇が人気の理由

納骨壇はどのような人たちに選ばれているのでしょうか。人気の理由とあわせてご紹介します。

お墓の維持ができない人 遺骨をお寺に預けて安心

「子どもがいない」「故郷を離れてお墓参りができない」など、さまざまな理由でお墓を維持できない人が増えています。

納骨堂の多くはお寺の経営によるものですが、納骨壇を購入することで遺骨をお寺に守ってもらえます。お寺の境内で守られているという安心感が人気の理由です。

お墓参りやお墓掃除が大変な人 屋内だからこその快適なお参り

お墓(墓石)は屋外に建てられるため、お墓参りやお墓掃除が大変です。

きれいに区画整備された霊園であればまだいいのですが、墓地によっては勾配の急な坂や階段を登らなければならない、車からお墓まで距離があるなど、年を重ねるごとにお参りが負担になるという声は多く聞かれます。

また、墓石は屋外にあるからこそ汚れてしまいますし、雑草も生えてきます。その点、納骨壇は屋内施設ですから、空調の効いた部屋で快適にお参りができますし、納骨壇が汚れる心配もありません。

遠方にお墓がある人 納骨壇はアクセス良好

遠方にお墓を持っている人にとって、自宅の近くの納骨壇を購入することでお参りがしやすくなります。

墓地は地域の外れや山の麓などにあることが多いのですが、納骨壇であれば、市街地の寺院にもたくさんあるため、アクセスも良好です。

あととりがいない人 永代供養にしてもらえるので墓じまいが不要

納骨壇の場合、万が一お参りする人がいなくなったとしてもお寺がそのまま永代供養してくれます。

これが墓石であれば、墓じまいをしなければなりません。墓じまいには、墓石の解体工事、新しいお墓探し、改葬許可申請、寺院とのやり取りなど、しなければならないことがたくさんあり、こうした煩雑な手続きは大きな負担となります。

納骨壇の種類と費用相場

納骨壇にはどのような種類があるのでしょうか。費用相場と合わせてご紹介いたします。

ロッカー型

ロッカー型とは、文字通りコインロッカーのような形状の納骨壇です。

遺骨だけを納めるタイプや、位牌などを一緒に納めるタイプなどがあります。省スペースゆえに安価ですが、遺骨の数に制限があるため、個人や夫婦のお墓として用いられます。

仏壇型

仏壇型とは、仏壇の形状をした納骨壇です。上下2段構造になっており、上段が仏壇、下段にお骨を納めます。

仏壇の中には、その宗派の本尊や位牌、お供え物などを並べます。また遺骨も充分な数を納められるので、家族の代々墓としても利用できます。

自動搬送型

自動搬送型とは、お参りの時に遺骨が自動搬送されるタイプの納骨壇です。

普段は遺骨をバックヤードでまとめて保管します。礼拝と納骨の場所を分けることで、限られたスペースでたくさんの遺骨を受け入れることができ、土地不足に悩む東京や大阪の都市部で普及しています。

建物全体がコンピューター制御されているのが特徴で、館内はホテルのロビーを思わせるような内装が施されています。

位牌型

位牌型とは、故人様の位牌を並べて供養する方法で、納骨壇を用いないスタイルです。

お寺の堂内に位牌を並べ、遺骨は別の場所にまとめて保管するのが慣例です。納骨壇という施設を持たないため費用感は安くなっています。

納骨壇を利用する際の注意点

いいことづくめのように思われる納骨壇ですが、やはり利用する上で注意しなければならない点もあります。

納骨できる遺骨の数に制限がある

納骨壇は、納骨できる遺骨の数が限られてしまいます。

お墓であればカロートの中がいっぱいになったとしても、古い遺骨を土に還すなどの方法が採れますが、納骨壇ではそうはいきません。

納骨壇を購入する際には、将来的にどれくらいの遺骨を納めることになるかを想定しておかなければなりません。

お花やお線香などのお供え物をあげられないことがある

花や香や灯明は仏教では大切なお供え物とされていますが、納骨堂によってはそれらを制限しているところもあります。

お花やお供え物は時間の経過とともに傷んでしまい、堂内を汚し、腐臭が生じてしまうからです。また、万が一の火事を恐れてお線香やローソクの使用を禁止する納骨堂もあります。

お盆の時期は特に混雑のリスクがある

お盆の時期の混雑は墓地以上でしょう。

駐車場を探すだけでも一苦労、隣との距離が近いためにお参りの時にも混雑しますし、自動搬送型は礼拝ブースに限りがあるため、列を作って並ばなければならないこともしばしばです。

建物の老朽化の不安

建物の老朽化は避けられませんが、こうしたメンテナンスを管理者がきちんとしてくれるかどうか、事前に確認しておきましょう。

また、自動搬送型では、システムが不具合を起こすことでお参りそのものができなくなる可能性もあります。

本当に今すぐ墓じまいしなければならないのか

故郷のお墓を片付けて、納骨壇を購入している人が多くいますが、果たしてそれが本当に必要なのかは、じっくり考える必要があります。

年に何回お参りに行かなければならないか決まりがあるわけでもありませんし、お墓掃除ができないことを心苦しく思っているのであれば代行サービスを利用するのも方法のひとつです。

お墓は私たちのルーツであるご先祖さまがいる場所で、家族のつながりのシンボルです。いまお墓をお持ちの方は、どういう方法がよいのか、焦らずに検討することをお勧めします。

まとめ: 納骨壇とは

納骨壇は屋内にあるお墓です。

その種類もさまざまで、それによって費用や供養の仕方も変わってきます。多くの納骨壇はお寺の中にあるので、納骨壇を構えることでお寺との距離も近くなり、普段心に思っている些細な悩みことを相談する、お寺で開催しているさまざまなイベントに参加してみるなど、新たな仏縁が広がるかもしれません。

そして何より、最後は永代供養としてそのお寺に任せられるという安心感が、納骨壇の一番のよさではないでしょうか。

家族の在り方が変化していくこれからの社会では、納骨壇は新しいお墓の形としてさらに存在感を増していくことでしょう。

 

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